2018年11月29日

民法改正④「預貯金債権の仮払い制度」

みなさん、こんにちは

早いもので11月ももう終わりですね
今年も残すところ、あと1ヶ月
年を重ねるごとに1年間のスピードが速くなっているような気がしています。

さて、今回も遺産分割に関する民法改正について説明します。

○預貯金債権の仮払い制度

現行の民法では、複数の相続人がいる場合、遺産分割が終了するまでの間は相続人のうち、誰か1人だ単独で預貯金債権の払い戻しをすることができませんでした。

払い戻しをする金融機関にとっては取扱い基準が明確になるメリットはありますが、実際には、相続人の生活費、葬儀費用、相続債務の弁済など、遺産分割が終了するまでに預貯金の払い戻しが必要となることが多くあります。

そこで、遺産分割における公平性を図りつつ、相続人の資金需要に対応できるよう、2つの仮払い制度が設けられました。

○1.家庭裁判所の手続きを利用する方法

ひとつめの仮払い制度は、家庭裁判所に遺産分割の審判または調停を申し立てた上で、預貯金の仮払いの申立てをする方法です。

家庭裁判所にて仮払いの必要性があると認められる場合には、他の共同相続人の利益を害しない限り、家庭裁判所の判断で仮払いが認められるようになります。

この方法は、調停の申立て等、コストや時間がかかるというデメリットがありますが、仮払いの金額に上限は設けられておらず、申立て額の範囲内で裁判所が必要と判断すれば、特定の預貯金債権の全部を取得することもできるため、多くの資金が必要な場合に適しています。

○2.相続人が金融機関に直接払い戻しを求める方法

ふたつめは、相続人が金融機関の窓口で直接払い戻しを求める方法です。

この方法の場合は仮払いの必要性を提示する必要もなく、裁判手続きも不要なので、家庭裁判所を利用する方法よりも手続きが簡便になります。

しかし、仮払いの金額に上限があるため、その上限金額を超える資金が必要な場合は、遺産分割協議が終わるまで払い戻しを待たなくてはならなくなります。
仮払い金額の上限の計算は以下のとおりです。

「相続開始時の預貯金債権の額(口座基準)」×1/3×(当該払戻しを行う共同相続人の法定相続分)

(例)
預貯金 600万円、相続人が子ども2名(長男、長女)の場合

長男が単独で払い戻しをすることができる金額は・・・
600万円 × 1/3 × 1/2 = 100万円 

尚、仮払いされた預貯金は、その相続人が遺産分割により取得したものとみなされるため、遺産分割の際には相続分から引かれることとなります。

仮払い制度に関する説明は以上です。
次回は、遺産分割前に処分された財産の取扱いについて説明します!

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posted by 神垣明治行政書士事務所 at 13:00| 民法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする