2018年11月08日

民法改正①「配偶者短期居住権」

みなさん、こんにちは

秋も深まり、紅葉が綺麗な時期になってまいりましたね
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さて、平成30年7月6日に民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)が成立しました。
相続法については昭和55年以来、大きな改正はされてきませんでしたが、高齢化が進む社会環境の変化に対応するため、約40年ぶりに大きな見直しが行われました。
今回は、残された配偶者の生活を守るために創設された「配偶者居住権」について説明します。

○たとえばこんなとき・・・

A太郎さんが亡くなり、相続人である配偶者のB子さん、その子であるC美さんは遺産分割協議にて、A太郎さんの遺産をわけることにしました。
A太郎さんの遺産は、生前、A太郎さんとB子さんが住んでいた家(土地・建物)と、預貯金がありました。

B子さん「預貯金は半分ずつわけるとして、家は私が住んでいるから私名義にしてもいいかしら。」

C美さん「お母さんが亡くなったあとは結局、私が相続することになるんだから、最初から私が相続したほうがいいんじゃない?」

B子さん「そうねぇ。最終的にはC美が相続することになるから、最初からC美が相続したほうがいいわね。」

B子さんとC美さん間の協議の結果、A太郎さん名義の預貯金は2人で2分の1ずつ相続し、家についてはC美さんが単独で相続することとなりました。

不動産をC美さん名義に変更し、預貯金の解約手続きも終わり、無事、A太郎さんの相続手続き完了したと思いきや!時件がおきました。

ある日、C美さんがB子さんの家に訪れ、こう言いました。

C美さん「お母さん、この家を売ろうと思うから出て行ってちょうだい!」

B子さんはビックリ!長年住んでいた家を突然出て行けと言われても困ります。

C美さんの要求はとても受け入れられるものではないと思いますが、現行制度では、C美さんが不動産を相続した時点で、B子さんを追い出すことができるようになります。

今回のお話は極端な例ですが、このような状態では残された配偶者の地位があまりにも不安定であるため、配偶者の居住権を保護するための権利が創設されました。

○配偶者の居住権を保護するための方策

配偶者の居住権を保護するための方策は、遺産分割が終了するまでの間といった比較的短期間に限り保護する方策(配偶者短期居住権)と、配偶者がある程度長期間その居住建物をしようすることができるようにするための方策(配偶者居住権)の2つがあります。


○配偶者短期居住権とは・・・

現行制度では、配偶者が相続開始時に被相続人(亡くなった方)の建物に居住していた場合には、原則として、被相続人とその配偶者との間で「使用貸借契約」が成立していたと推認されました。
判例法理では、第三者に居住建物が遺贈されてしまった場合や、被相続人が反対の意思表示をした場合、使用貸借が推認されず、配偶者の居住が保護されません。

(使用貸借とは・・・)
家賃等を支払ってアパート等を借りることを「賃貸借」といい、無償での貸し借りを「使用貸借」といいます。
使用貸借の場合は、賃貸借に比べ、借主の法的保護が薄くなっています。
例えば、貸主はいつでも借主に返還請求ができたり(契約期間に定めがない場合)、建物の所有者(貸主)が建物を第三者に譲渡した場合、新しい所有者に使用貸借権を主張することはできません。

このような配偶者を保護するために導入される制度のひとつが「配偶者短期居住権」です。

「配偶者短期居住権」とは、相続開始時に被相続人の居住建物に無償で住んでいた配偶者は、一定期間、その家を無償で使用することができるとする権利です。

そのため、仮に被相続人が居住建物を第三者に遺贈した場合や、反対の意思を表示した場合であっても、配偶者の居住を保護することができるようになります。

「配偶者短期居住権」は、相続開始により当然に発生する権利のため、後ほど説明する「配偶者居住権」とは異なり、被相続人の遺言等であらかじめ定めておく必要はありません。

権利の存続期間は、原則としてその後の遺産分割により居住建物を誰が相続するかが確定した日、または相続開始時から6ヶ月が経過する日までのいずれか遅い日までとされています。

従いまして、最短でも相続開始時から6ヶ月が経過する日までの間は、「配偶者短期居住権」に基づいて住み続けることができます。

尚、この権利は配偶者が無償で使用していた部分に限られるため、例えば、被相続人が生前、1階部分を店舗、2階部分を住居として使用していた場合、配偶者短期居住権が発生するのは2階部分のみです。

以上が配偶者短期居住権の概要です。
長くなってしまったので、もう一つの配偶者居住権については次回のコラムでご説明します!

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posted by 神垣明治行政書士事務所 at 10:59| 民法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする